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三國正樹 『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

間違いだらけの教育論

著者:諏訪哲二   発行所:光文社

読書年:2010(平成22年)

印象に残った言葉: 教師や教育業界には一般にミステリーのセンスがない。近代の教育がめざしている近代的個人とは、自我の確かさを疑わない一元的な人間ではなく、自我を形成しつつ自我を括弧に入れることができる二元的な人間であろうと思われるが、なぜか自我の確かさは疑われないのである。

・・・「子供のいちばんの悩みは勉強や進路のこと」と言ってしまうことの問題が書かれていました。子供がすべて勉強をしたがっているわけでもない、というのはよくわかります。勉強は自分から興味を持って取り組まないと効果がないので。かなり昔の話、あるピアノ教師が自分のお嬢さんのピアノを教えてほしいと相談に来たことがあり、何回かピアノを指導した経験がありますが、そのお嬢さんはどう見てもピアノも音楽も好きなようには見えませんでしたし、練習も全然していなかったので「このままでは指導できません」と言って教えるのを打ち切ったことがあります。そのお母さんからはかなり批判されました。一般に、ピアノが嫌いな人に指導するのは、まず好きになってもらうことを目標にする必要がありますが、それには時間がかかります。しかしその子のお母さんはコンクールで賞を取ることを目標としていました。それでは無理です。そんな気持ちを分かってもらえなかったことを思い出します。「この子のピアノは私の夢なんです!」という言葉が今でも印象に残っています。