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三國正樹の『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

「心の専門家」はいらない

著者:小沢牧子    発行所:洋泉社

読書年:2003年

印象に残った言葉: 介護保険制度が二〇〇〇年四月に発足した。高齢者の話題に「ケア」というカタカナがつきまとうようになったのは、その一~二年前のあたりからである。九十歳を超えた年寄りと長年身近に暮らしてきたわたしは、その言葉が気になった。自分は決して使いたくない言葉だ。(中略)家事や気遣いはどんな暮らしにもつきもので、しかも関係は一方的なものではない。子供は手間ひまのかかる生き物だが、大人を笑わせ楽しませもすることを誰もが知っている。年寄りも同じだ。人間が老いて変化してゆくさまを知らずして、どうするのだろう。「ボケ」と言われるものも、一緒に暮らしていけば、何のことだか自然に見えてくる。変化のつながりや意味が見える。自分の現在とのつながりも見える。人の一生は面白いのだ。

・・・私も「心のケア」という言葉に常に違和感を感じている人間の一人ですが、この本を読んで胸のつかえが下りる気がしました。年寄りに対しては上記に同感ですが、一般に用いられる「心の教育」という言葉にも疑問を感じています。詳しくはこの本をぜひお読みいただきたいものです。