三國正樹 『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

認知心理学を語る第1巻 おもしろ記憶のラボラトリー

編者: 森敏昭       発行所:北大路書房

読書年: 2002年

印象に残った言葉: 記憶の再構成的性質について一つだけ付け加えておきたいことがあります。それは記憶が基本的に再構成されるものであるとしても、いつでも好き勝手に書き直すことができるものではないということです。それが可能なほど私たちの自己が不安定であるとは思えません。また、もしも今の自分にとって都合のよいように記憶を書き直してばかりいたら、私たちはそもそも過去経験から学ぶということがなくなってしまうでしょう。たしかに記憶は書き換えられますし、時には「嘘をつく」かもしれません。しかしなかなか信頼に足るところもあるはずです。

・・・佐藤浩一氏による「自伝的記憶」より。いま現在の自己のありように応じて過去はかなり柔軟に書き換えられるということが書いてあります。心理学を勉強するのは本当に楽しいことだと思います。その他、森津太子氏による「記憶と対人認知」、山本利和氏による「場所の記憶」も興味深い内容でした。

子供の頃の記憶はどんどん忘れてしまいますが、人に言われて「おや、そんなことを私はしていたのか?」と思うことも多い。それに対して自分で覚えていることはどのくらい正確なのだろうか。例えば私が3歳くらいの頃、新潟県の米山駅の近くに住んでいたのですが、一日中海をじっと眺めていたという話を母親から聞きました。なぜ海を見ていたのか? それを確かめるために昨年冬、北陸新幹線経由でその町に行き、あることを確信しました。その話はまたいつか・・・