三國正樹 『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

ベートーヴェンの生涯

著者:青木やよひ      発行所:平凡社

読書年:2010年

印象に残った言葉: 巨匠は、機嫌よく十五歳の音楽家の卵にさまざまな話をした。その中で「芸術は休みなく後世に伝えていかなければならない」という励ましの言葉と、「民衆の声は神の声だと言われるが、私はそんなことは信じない」という言葉が、ヒラーの記憶に深く刻み込まれたのだった。

・・・当時のワイマルの宮廷楽長だったフンメルがベートーヴェン危篤の知らせを聞いてかけつけた時の話。フンメルは妻と弟子のフェルディナント・ヒラーを連れていったそうで、そのヒラーが会見の模様を書き残したということです。

ベートーヴェンの伝記は何冊も読みました。その中で、最新の情報が得られ、読みやすく感動的なのがこの本だと思います。他の研究書では、メイナード・ソロモン『ベートーヴェン(上・下)』、児島新『ベートーヴェン研究』、チャールズ・ローゼン『ベートーヴェンを“読む”』、石井宏『ベートーヴェンベートホーフェン  神話の終り』も印象的な本でした。

セイヤーの『ベートーヴェンの生涯』を読んだのは学生時代でした。素晴らしい著作でしたが、昔のことなので忘れてしまった部分もあります。もう一度この本を読み返してみたいと思っています。新たな発見があるかもしれません。このように、昔読んだ本を読み返すのも私にとって大事な仕事の一部と言えます。