三國正樹 『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

音楽の基礎

著者:芥川也寸志      発行所:岩波書店

読書年: 1971年

印象に残った言葉: ヨーロッパの音楽は、オクターヴ(八度)という最大の音程から、短二度という最小の音程に向って、何世紀もの時間を費やして、縮小への道を歩みつづけたのである。平均率にあっては、短二度よりせまい音程は完全一度のみである。しかしそれは原始に通じる。音楽はどこへ行ったらいいのであろう?

・・・中学校時代に先輩に勧められた本です。その頃は半分も理解していなかったと思い、再度読んでみたらこれがなかなか面白い内容なので驚きました。一般の人が読むには専門用語が多すぎるのかもしれませんが、普通の「楽典」関係の本よりは読み物として面白く構成されていると思います。

・・・実は「フリギア終止」についてよく分かっていなかったので、これを機会に学び直しました。教会旋法については、ギリシャ時代の旋法と9~10世紀ころの旋法では名前が同じでも内容は異なるということ、「ドリアの4度」がフォーレの作品で用いられていること、ブラームス交響曲第4番第2楽章テーマが「フリギア旋法」に基づいていること、「リディア旋法」をショパンマズルカでしばしば用いたこと、くらいしか高校時代までは知らなかったことがありまして、それからいろいろと勉強を積んできたつもりですが、「フリギア終止」に関しての「下向導音」という概念について今回初めて知りました。まったくお恥ずかしい限りです。

・・・フリギア旋法は、調体系が確立したあとも独自の存在を主張していた、と事典にはあります。なるほど。例えばバッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」の第2楽章の終止をみると、今までそういうものだと思って聞いていた和声が実は相当な意味を持っていたことが分かり、勉強は本当に楽しいものだと思いようになりました。