三國正樹 『読書記録』

今までに読んだ本の記録です。

21世紀へのチェルニー

著者: 山本美芽      発行所: 株式会社ショパン

読書年: 2016年

印象に残った言葉: これまで日本のピアノ教育において、チェルニーは不可欠な存在で、必ず通らなければならない道のようなものだと考えられていた。しかし、海外の事例を見ると、専門か趣味かを問わず、エチュードによる徹底した指の訓練をしなくても、ショパンやリストは弾けるようになるものだ。

・・・昨年夏より「ピアノ上級技巧の学習方法」という論文を作成してきました。今年度の群馬大学紀要論文として発表の予定ですが、この本は非常に参考になった一冊です。

・・・上記記述の後に、「ソルフェージュの勉強」「幅広いレパートリ―の習得」「いい奏法の習得」が必要との指摘があります。納得できることだと思います。確かに音楽作品としてあまり面白みのないエチュードの練習に時間を費やすことがそれほど良いとは私も思いません。

・・・ただ、技巧とはどのような仕組みになっているかについて、一通りの基本は経験しておくべきだと考えます。たとえばアルベルティ低音が出てきたら指使いを考えなくても自然と指が動く、というように。

・・・初見試奏も必要ですね。楽譜を見てすぐに演奏できる能力。これも、ほぼすべてのピアノ演奏テクニックを経験しておけばできると思われるので(現代作品は例外かもしれませんが)、リストが行ったレヴェルとはいかなくても普段から練習を心掛けるべきかと思います。

・・・そんな訳で、現在私が色々な人にお勧めしているのはチェルニー「8小節の練習曲」などの効率的に書かれた練習曲です。

・・・そんな私でも、ときどき「チェルニー50番」をさらい直すこともあります。これは若いころにこのエチュードを習ったからという以外に理由はないので、やはりどういう指導を受けるかは重要と言わざるを得ません。